【ざっくり解説】消費税のしくみ

起業してしばらくし、事業も進んでくると、
だんだん気になってくる消費税。
ただ、、、
「個人事業主・フリーランスとして独立したけど、
数字が苦手過ぎて、税金の知識が頭に入ってこない。。。」
という方も、おられるかもしれませんね。
今回は、そんな数字が苦手な方向けに、
「消費税」について、ざっくりと解説を行っていきたいと思います。
あくまでざっくりと解説を行う記事のため、
細かな数字などは載せていませんので、ご了承くださいね。
(「お金関係の記事を読むと意識が飛ぶ」という方は、
太字のところとイラストを眺めていただければ、
なんとなくの概要つかめます。)
それでは、「消費税」についての解説を始めていきたいと思います。
消費税の対象者って?
さて、はじめに。
消費税の対象になる人ってどんな人なのでしょうか?
消費税の対象になる人は、大きく3つに分けることができます。
まず1つめは、
「売り上げが1000万円を超えた人」です。
「売り上げが1000万円を超えると消費税の対象になる」
と聞いたことがあるのではないでしょうか?
そうなのです。
1月から12月の年間の売り上げが1000万円を超えると、
消費税の対象になってきます。
ただ、すぐにではありません。
1000万円を超えた年の、翌々年から対象になります。
2022年に、年間の売り上げが初めて1000万円を超えた人は、
2024年から消費税の対象になってきます。
つまり、2024年の年間売り上げから消費税の対象となり、
2025年の3月にはじめて、消費税を納付します。
そこから毎年、消費税を支払っていくのです。

売り上げが急にぐーーんと伸びたときは
2つめは、「急に売り上げがぐーーんと伸びた人」です。
同じ「売り上げが1000万円を超えた」といっても、
「急に売り上げがぐーーんと伸びてしまった」場合は、
消費税の対象になるタイミングが少し異なります。
「昨年と比べて売上げが伸びた」という方の中には、
「これまで、売り上げは、
年間でも1000万円を超えることはなかったのに、
今年は、1年を待たずに、1月から6月までの半年間の売り上げだけで、
1000万円を超えてしまった」
という人もおられるかもしれませんね。
そういった場合は、
先ほどお伝えしたケースよりも早く、消費税の対象になります。
2020年の1月から6月までの半年間の売り上げが1000万円を超えた人は、
その翌年の2021年には消費税の対象になり、
2022年の3月に、消費税を納付する必要が出てきます。
ただ、、、
この「急に売り上げがぐーーんと伸びてしまった」場合。
半年間の従業員への給与の総額も、1000万円を超えていなければ、
消費税の対象にはなりません。
つまり、
「1月から6月の半年間で、売り上げが1000万円を超え、
しかも、その間に従業員に支払った給与も1000万円を超えた」方のみ
が、このスケジュールの対象です。
なので、このケースで消費税の対象になることは、めったにありません。

消費税を支払う選択をすることも
そして、3つめです。
それは、
「年間の売り上げが1000万円を超えてはいないけれど、
消費税を支払うことを選択した人」
です。
本来、年間の売り上げが1000万円を超えていない人は、
消費税を支払う必要はないのですが、
そんな時でも、
ご自身の意志で、「消費税を支払う」をいう選択をすることもできます。
たとえば、インボイス制度の対象となりたい場合など、
「消費税の対象になる」ことを選ぶこともあるかもしれませんね。
あなたが支払う消費税の金額
ここまでは、消費税の対象について見ていきましたが、
ここからは、消費税の金額についてのお話です。
あなたが「消費税の対象」となった場合、
あなたは、消費税をどのくらい支払わなければならないのでしょうか?
ここからは、消費税の金額の計算の仕方についてお話をしていきますが、
その前に一つ。
「コーヒーを店内で飲むか、テイクアウトにするか」などの、
いわゆる「軽減税率」などを考えると、
話がとーーてもややこしくなってしまうので、
ここでは、「消費税率は10%」に固定してお話しますね。
さてさて。
たとえば、あなたが、自作アクセサリーを作って販売している
アクセサリー屋さんだとします。
今年の売り上げは、1200万円でした。
消費税は、10%。
なので、1200万円の10%分の120万円を、
消費税として払わなければならないと思いますよね。
ですが、実は、そうではないのです。
“経費として買った物”の消費税を出す
「売り上げの10%の額」から、
「“経費として買った物”の消費税」を差し引いた額が、
あなたが支払う消費税の金額なのです。
と言っても、ちょっと難しいですよね。
たとえば、
アクセサリー屋さんなら、
アクセサリーを作るために、ビーズなどの材料を購入しますよね。
ビーズなどの材料を500万円分買ったとしたら、
そこには50万円の消費税がかかっていたはずです。
この50万円こそが、「“経費として買った物”の消費税」です。
つまり、、、
「売り上げの10%:120万円」から、
「“経費で買った物”の消費税:50万円」を差し引いたら、
「70万円」になりますね。
この「70万円」が、あなたが支払う消費税です。

「売り上げの10%をまるまる支払う」というわけではないので、
ちょっと安心ですね。
ただ、よーーく考えてみると、、、
“経費で買った物”の消費税の計算は、、、
この、
「“経費で買った物”の消費税」を計算するのって、とってもめんどうです。
普段の会計ソフトへの経費の記録に加えて、
「“経費で支払った物”の消費税の額」を、一つひとつ記録していく必要があります。
「すべての経費が、消費税の対象」というわけではないので、
レシートをさらに細かく見ていく必要がありますよね。
しかも、インボイス制度が始まると、
インボイス制度の条件を満たした、「適格請求書」という種類の請求書に書かれた消費税でないと、
「“経費で支払った物”の消費税」に含めることができなくなります。
考えるだけでも、とーーーてもたいへんです。
そこで、
国税庁では、売り上げが5,000万円以下などの、
条件を満たした人を対象に、
もう少し消費税の計算を楽にする方法を準備してます。
簡易課税を活用する
それは、「簡易課税」です。
「簡易課税」とは、
「「“経費で支払った物”の消費税」は、細かく見なくてもいいですよ」
という制度です。
先ほどの消費税の計算では、
あなた自身が「“経費で支払った物”の消費税」を、
細かに記録していかなければいけませんでしたが、
「簡易課税」では異なります。
国税庁が、
業種ごとに「”経費で支払った物”の消費税」の額を決めているので、
それを活用するのです。
たとえば、
自作アクセサリーを販売しているアクセサリー屋さんの
「”経費で支払った物”の消費税」は、「売り上げの10%×70%」
コンサル業は、「売り上げの10%×50%」
不動産業は、「売り上げの10%×40%」
といった感じです。
先ほどの、売り上げが1200万円のアクセサリー屋さんは、
簡易課税を活用した場合、
「“経費で支払った物”の消費税」を、
1200万円の10%×70%=84万円
と計算することができるので、
「売り上げの10%:120万円」から、
「“経費で買った物”の消費税:84万円」を差し引いた、
「36万円」が、支払う消費税の金額となります。

いかがですか?
はじめにご紹介した計算方法よりも、ぐんと計算が楽になりませんか?
条件に当てはまる方は、「簡易課税」の制度を使ってみるのもいいかもしれませんね。
簡易課税の対象になるには
便利な「簡易課税」ですが、この制度を活用するには、
まず、事前に、
税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」という書類を提出しておく
必要があります。
この書類は、国税庁のホームページからダウンロードできるので、ご覧になってください。
ちなみに、この書類には提出期限があります。
その提出期限とは、「消費税がかかるようになる年の前日、12月31日」です。
あなたが、2022年に初めて年間売り上げ1,000万円を超えたとしたら、
2024年の売り上げから消費税の対象になってきますが、
「簡易課税」の対象になるには、
「2023年12月31日まで」にこの書類を出す必要があるので、
注意が必要ですね。

消費税の払い方
最後に、消費税の払い方についてお話します。
消費税の対象となると、確定申告で、所得税と併せて、消費税の額も申告します。
そして、その申告の金額を、3月末までに納付することになるのです。
3月は、キャッシュフローに気をつける必要がありますね。
ちなみに、、、
消費税の額が60万円を超える場合は、
分割して納付することができるのですが、
それはまた今度、ちがう機会にお話できればと思います。