個人事業主・フリーランスが経費にできる代表的なもの21選

個人事業主やフリーランスとして、事業を始めると、避けられないもの。
その1つが
記帳や確定申告
です。
事業だけに集中したくても、これをやらないと、
残念ながら、事業は成立しません。
しかも、ある程度ちゃんと理解しておかないと、
怖いことがあります。
理解しておかないと、怖いこと
それは、
必要以上に、税金を払いすぎてしまう
ということ。
例えば、
・自宅の家賃も経費にできる場合があること
・自宅の引越し代も経費にできる場合があること
・税金も経費になることがあること
などは、知らない人も多いのではないでしょうか。
実際、正しい知識を持っていないばかりに、何十万円・何百万という税金を必要以上に払ってしまっている人もいます。
知らないだけで、売上を簡単に失う
知らないだけで、せっかくの売上を、簡単に失います。
もちろん、税金は正しく支払う必要があります。
でも、せっかく、頑張って売上を伸ばしたのに、必要以上に払ってしまったら、もったいないですよね。
こちらの記事では、そうならないために、
何を経費とすることができるのか?
を学んでいただきます。
経費を漏らさずに計上すると、払う税金を減らすことができるからです。
これを学んだ上で、記帳をすることで、ムダに税金を払う必要がなくなります。
特に重要な21個の経費を学ぶ
とはいえ、すべての経費について学んでいると、覚えるのも大変ですし、かなりの時間が必要となります。
なので、まず、この記事では、私の長年の税理士業務の経験から、
特に重要な21個の経費
をピックアップしています。
21個の選定基準は、
・絶対に漏らしてはいけないもの
・金額が大きいもの
(税金の金額を減らしやすいもの)
・経費に入れ忘れやすいもの
の3つのいずれかに該当するものとしています。
これを知っておくだけで、大きな失敗はしないと考えていただいてOKかと思います。
まずは、最低限、この内容をしっかりと学んで、せっかくの事業に使えるお金を減らさないようにしてください。
特に、「開業前の方」や、「事業を始めて1年目~3年目くらいの方」にはオススメの記事になります。
経費にできるかどうかの考え方
まずは、21個の経費の具体例に入る前に知っておいてほしいことがあります。
それは、
どんなものでも、経費にできるわけではない
ということ。
例えば、家族で、プライベートで食事に行った時の
食事代は、経費にすることはできません。
あるいは健康診断や人間ドックの費用についても、
経費とすることはできません。
では、どんなものが経費とすることが可能なのでしょうか。
経費にすることができるもの
基本的な考え方として、
経費とすることができるのは、
事業に関連しているもの
になります。
事業に関連していないものは
経費とすることはできません。
とはいえ、事業に関連していれば、
何でもいいのか?というとそうでもありません。
なので、ここから
21個の「経費とすることが可能なもの」
について、具体的に解説をしていきます。
この21個は、確実に理解をして、
領収書やレシートがあるものについては、
「必ず領収書やレシート、証拠となるメールなど
残しておく」ようにしてください。
ちなみに、21個の中には、
「全額経費にできるもの」と「一部経費にできるもの」が
混在していますので、注意しながら読み進めてください。
まずは、これだけは知っておく|経費にできる代表的なもの21選
では、ここから21個の「経費にできる代表的なもの」を解説していきます。
インターネット上の記事では、「勘定科目ごと」に書かれていることが多いです。
勘定科目とは、記帳するときの分類です。
例えば、旅費交通費、外注費、租税公課などです。
ただ、この勘定科目は、一般の方にとっては、イメージしづらい言葉も多いです。
そのため、この記事では、「具体的な支出の内容」ごとに記載をしていきます。
例えば、「飲み会の参加費」「セミナー参加費」
「会議室代」などです。
きっと、このほうがイメージもしやすいですし、
理解もしやすいはずです
では、1つずつ解説していきますね。
1.交通費
1つ目は、交通費です。交通費は、仕事のための
移動であれば、100%経費とすることができます。
交通費の具体例はこんな感じです。高速道路の通行料も経費になりますので、確実に計上しましょう。
・バス代
・電車代、汽車代(新幹線代を含む)
・タクシー代
・ガソリン代(車移動の場合)
・コインパーキングなどの駐車場代
・高速道路通行料
・飛行機代
(ANA、JAL、AIRDO、スカイマーク、Jetstarなど)
・フェリー代、乗船代
・レンタル自転車代
・レンタカー代
ちなみに、注意点が1つあります。
それは、自家用車を仕事で使っている場合のガソリン代は、全額を経費とすることはできないということ。その場合は、仕事として使っている分の「一部のみ経費」となります。
2.宿泊費
続いて宿泊費です。
宿泊費は、ホテルなどの宿泊費ですね。こちらも、交通費同様、仕事のための宿泊であれば、経費とすることができます。
ちなみに、朝食付き宿泊プランについても、宿泊費として認められます。夕食付き宿泊プランについても、常識を逸脱するような金額でなければ、基本的には宿泊費として、経費として参入することができます。
3.飲み会、ランチ会
仕事の意見交換を行うための飲み会やランチ会の費用は、
経費とすることができます。
また、オンラインでの飲み会やランチ会についても、
経費とすることができます。
4.セミナー・講座参加費
セミナーや講座参加費は、仕事に関連するものであれば、経費とすることができます。
リアルのセミナーであっても、オンラインのセミナーであっても大丈夫です。
他にも、オンライン教材の購入費用やDVD・ブルーレイの購入費用、noteの有料記事なども、仕事に関連するものであれば、経費とすることができます。
5.事務所の家賃
仕事用として借りている事務所の家賃は、全額経費とすることができます。共益費や管理費についても、経費とすることが可能です。
また、事務所として、シェアオフィスやコワーキングスペース、バーチャルオフィスなどを借りている場合も、全額経費とすることができます。
シェアオフィスにかかる諸々の費用(ロッカー利用代、住所利用代など)も、仕事に関連するものであれば、全額経費計上可能です。
6.自宅の家賃の一部(仕事に使う場合)
仕事で自宅を使う場合、自宅の家賃の一部を経費とすることができます。
例えば、週に3回は出勤して、週に2回は自宅で仕事をする場合などです。利用割合に応じて、按分して経費とします。
7.名刺・チラシ作成費
仕事に使う名刺やチラシの作成費(デザイン料、印刷代など)は、全額経費とすることができます。
オンラインで名刺を注文する際などで、送料がかかる場合は、その送料も経費とすることが可能です。
8.会議室代
仕事の会議や打合せのために利用した会議室代は、全額経費とすることができます。
9.スマホ代、電話代、インターネット利用料
仕事で利用するこれらの費用は、全額経費にすることができます。通話料や通信料はもちろんですが、基本料も経費とすることができます。
ただし、プライベートと共用している場合には、全額を経費とすることはできません。利用割合に応じて、按分して経費としてください。
10.所属団体等に払う会費
例えば、ライターさんが、ライターが集まって仕事の情報交換を行う団体に所属して、会費を払っている場合には、その会費は経費とすることができます。
11.外注するときの費用
ホームページの制作を依頼したり、オフィスの清掃を依頼したりするなど、業務委託などで仕事に関する外注をした場合には、全額経費とすることができます。
最近だと、ココナラ、ランサーズ、クラウドワークスなどで、色んなものを外注する人も増えていますね。
12.修理代
例えば、仕事で使っているパソコンやタブレット端末などの修理に関する費用がかかった場合、全額経費とすることができます。
13.保険料(事業用)
例えば、店舗や仕事で使う車などに保険をかけた場合、その費用は、全額経費とすることができます。
一方で、個人の生命保険や医療保険などは、経費とすることができませんので、注意してください。こちらの生命保険や医療保険などは、払っている保険料の一定割合を「所得控除」という形で、税金を減らす効果があります(所得控除は、経費と同様に、支払う税金を減らすことができるものです。別記事で解説します)
14.専門家に払うお金
私たち税理士や弁護士さん、社労士さんなどの専門家に払う相談料や顧問料などです。これについても、仕事に関係のある相談であれば、全額経費とすることができます。
15.税金の一部
税金には、経費とできるものとできないものがあります。税金を「経費にできるとは思っていなかった」という間違いは結構多いので、漏らさないようにしてくださいね。
経費にできる主なものとしては、
・個人事業税
・固定資産税
・印紙税
・不動産取得税
があります。
一方で、経費にできない主なものとしては、
・所得税
・住民税
・相続税
・贈与税
・延滞税
があります。
所得税や住民税などを、間違って経費に入れないように注意してください。
16.ビジネスに使うソフトやシステムの利用料
例えば、freeeやマネーフォワードのような会計ソフト、LINEやメルマガを配信するためのシステムの利用料など、仕事に使うソフトやシステムの利用料は、経費とすることができます。
17.本や新聞の購入代金
本(書籍)や新聞の購入代金についても、仕事に関係のあるものであれば、経費とすることができます。
18.引越し代
事務所の引っ越しに関するたいていの費用は、経費とすることができます。
経費にできる主なものは、
・引越し屋さんに払うお金
・新しい事務所の礼金(解約時に返金されないものに限ります)
・事務所の清掃費用
・不動産会社に払う仲介手数料
・火災保険料
です。
逆に経費にできない主なものは、「敷金」です。敷金は、基本的に、返ってくることを前提にしたものだからです。
ただし、敷金についても、契約が終わった時に、返ってこないことを前提としたもの(敷金償却と言います)については、経費とできる場合があります。
それと、これは、多くの人が知らないですが、自宅を事務所として使っている場合に引っ越しをすると、その費用の一部を経費として計上することができます。
19.パソコン購入費(10万円未満)
仕事用のパソコンやタブレット端末などは10万円未満のものを購入した場合は、全額経費とすることができます。
10万円以上のものの場合も、経費として計上することができますが、一度に経費とすることはできません。その後、何年かに分けて、経費とする形になります。
20.家族に払う給与
家族に仕事を手伝ってもらって、給与を払った場合に、経費とすることができます。
ただし、これには、上限がありますし、色々と条件があります。
ですので、「家族に払う給与」を経費にしたい場合は、事前に条件を確認しておきましょう。
21.販売する商品や材料費
自社で販売する商品や、販売するための材料費は、全額経費とすることができます。
ただし、12月末の段階で残っているものについては、経費とすることはできません。(翌年以降の経費となります)
証拠書類を残しておく
ここまで21種類の経費について解説をしてきました。
まずは、この21種類を理解して、そのための証拠書類(領収書、レシート、メールなど)を捨てることなく、確実に残しておくことから始めてみてください。
そして、今回は、「経費」についてお伝えしてきましたが、税金を減らすことができるもう1つの観点として、「控除」というものがあります。
こちらも、理解しておく必要があるものなので、別の記事で解説したいと思います。
さいごに
これは勘違いしないでほしいのですが、経費にできるからといって、使いすぎはダメです。
「経費を使う」ということは、「事業のお金を使う」ということです。
なので、事業の拡大・発展のために、本当に必要なものにお金を使いましょう。
あくまでも、上記の21種類については、「経費として計上することができるので、忘れずに経費に入れましょう」というものです。
どんどんお金を使いましょうというわけではないので、ご注意くださいね。
記帳をしている中で、迷うことがあったら、こちらの記事に戻ってきて確認してみてください。